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ブルース・K・ゲール
わたしは,この15年間の大半を科学者らしい考え方を身につけることに費やしてきました。つまり,聞くことすべてに疑問を投げかけ,自分が持っている証拠や学んできた事柄と一致するかどうか検証するという姿勢です。このような特性を伸ばしてきたおかげで,科学者またエンジニアであるわたしのキャリアだけでなく,宗教についての理解を深める上でも益を受けてきました。正直,わたしは何事もまず疑ってかかります。これは正しいのだろうか。真実なのだろうか。このような問いかけと,末日聖徒イエス・キリスト教会が教える福音について自分が経験したことを合わせて考えると,わたしにとってたどりつく結論はただ一つ――末日聖徒イエス・キリスト教会の福音と教えは真実であり,それに従えば人は神のもとへ,そしてこの世の幸福へと導かれるということに尽きます。
教会の教えは,時折,受け入れるのが難しいときがあります。14歳の少年が父なる神とイエス・キリストに会って言葉を交わしたのでしょうか? そうです。その少年が天使の導きによってニューヨーク州北部の丘に隠されていた金版を見つけ,それが翻訳されてモルモン書になったのでしょうか? そうです。今日も神は地上の預言者と話されるのでしょうか? そうです。神はわたしたち一人一人と交信し,わたしたちの生活を導いてくださるのでしょうか? そのとおりです。このような例は数多くあります。どうしたらこれらのことが真実だと知ることができるのでしょうか。説明しましょう。
モルモン書の預言者アルマは神に関する事柄が真実であるかどうかを知る方法を教えています。アルマは預言者たちの教えを種にたとえ,その種を植えて成長するかどうか試してみるように勧めています。はっきりと,彼は「言葉を試し」てみるようにすべての人に勧めています。ちょうど科学者がするように,してみなさいということです。イエス・キリストの教えに基づいて仮説を立て,それを検証するのです。わたしは実際にやってみました。わたしは預言者とイエス・キリストの教えを試してみたのです。その結果,確かに約束されたとおりになりました。わたしは少なくとも自分自身に対して,これらの教えが真実であることを証明したのです。例を幾つか挙げてみましょう。
福音の最も基本的な教えの一つに,神が確かにおられて,わたしたちの必要に応じてくださるという教えがあります。わたしの質問や懇願に神が答えてくださったという証拠はあまりにも多くて,全部を挙げたら多くのページが必要になるでしょう。神に祈るとき,その祈りに答えてくださることを知っています。そのこたえはいつも瞬時に与えられるでしょうか。そうではありあません。こたえはいつもわたしの望んだとおりのものでしょうか。そうではありません。しかし,わたしは神が祈りに答えてくださることを知っています。道に迷ったとき,神は,多くの場合すぐに,そして劇的な方法で道を示してくださいます。どうしたらいいか思い迷うとき,主は方向を示し,その方向を選択したわたしを支えてくださいます。悩んだり,困難な状況に置かれたりするとき,祈ることができます。そんなときは,ほぼ瞬時に慰めや気遣いを感じます。家庭でも職場でも知識が必要なときには,祈れば主がお授けになることができる知識を受けることができます。願い求めれば神は何でも望みをかなえてくださるのでしょうか。そうではありません。イエス・キリストの教えと一致した生活をしていれば,何を,いつ,どのように願い求めるべきか知ることができるということを,経験を通して学びました。わたしの願いが聖文に約束されている事柄に添うものであり,わたしがへりくだった気持ちでそれを願い求めているならば,望む祝福が与えられます。ほんとうに神はわたしの祈りに答えてくださいます。わたしがそれを信じるまでに,神は何度わたしの祈りに答えてくださる必要があるでしょうか。
末日聖徒イエス・キリスト教会には,世の中のほとんどの人と違う行いを会員に求める教えが幾つもあります。例えば,教会の会員はアルコール,コーヒーまたはお茶を飲んだり,喫煙や有害な薬物を使用したりすることを避けるように教えられています。実際のところ,この教えに従えば大変気まずい思いをすることは火を見るよりも明らかな社交の場に出たことが何度もありますが,このような物質を避けることでほんとうに祝福されてきたと感じています。頭脳は明晰であり,健康にも恵まれています。何よりも大切なのは,神を近くに感じられることです。このように,この勧告には多くの身体的,霊的根拠があります。この教えは明らかに真理なのです。もう一つ,わたしの生活を大きく祝福してきた「純潔の律法」または「貞潔の律法」という教えがあります。これは,結婚前にはすべての性的活動を避け,結婚後は完全に伴侶への貞潔を守るという教えです。この戒めを守ることで,毎日祝福を感じています。それというのも,この戒めを破ったらどうなるか,友人や世の中の人々の姿を目にしているからです。この戒めを破れば大変な苦痛と悩みと悲しみを経験するのに,なぜ世の多くの人々はたいしたことではないと教えるのか不思議です。この真理を教えられ,理解していることをほんとうに感謝しています。それは確かに神の言葉です。
このほかにも神の戒めを列挙することができます。古代の戒めもあれば,比較的最近に現代の預言者によって啓示された戒めもあります。いずれにしろ,個人的に試してみたものはすべて(つまり知っているものはすべて)真実であり正しいと分かっています。神が確かにおられることを知るうえで重要なのは,物理的証拠よりも霊的な証拠です。呼び求めるとき,神は答えてくださいます。必要なときに方向を示してくださいます。聖文や預言者の言葉について深く考えるとき,喜びで胸がいっぱいになり,その言葉が真実であるという知識で満たされます。明らかにここには一つのパターンが存在します。それは神が現実におられ,今日も預言者に語られており,神の御子イエス・キリストこそわたしたちが神のみもとに戻ることを可能にしてくださる御方であって,主に従うことを選べば,わたしたちは死んでも再び生きることができることを示しています。つまり,末日聖徒イエス・キリスト教会がイエス・キリストの真実の教えをすべて有する教会であって,教会は,この教会で教えられている神の計画に従うだけで,わたしたちを神のみもとへ導き,この世においても幸福をもたらしてくれるとわたしは知っています。
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ブルース・K・ゲールは1995年にブリガム・ヤング大学で機械工学の学士号を,2000年にユタ大学から生体工学の博士号を授与されています。ルイジアナ工科大学で生物医学工学の助教として勤務した後,2001年にユタ大学に戻り,現在は機械工学准教授を務めています。
ゲール博士は現在,生物医学マイクロ流体工学ユタ州センター・フォア・エクセレンスのディレクターおよび,2005年に自らの研究室から立ち上げたワサッチマイクロ流体工学社の最高科学責任者も務めています。
ゲール教授はこの10年間,マイクロ流体工学,ナノテクノロジー,および微小化学物質分析システム(マイクロTAS)の分野で研究を続けてきました。特に,様々なマイクロ流体的部品を使った複雑で難易度の高い医学的および生物学的検定法を完成させるのに必要なラボオンチップに関心を寄せています。具体的には,医学的および生物学的検定のためのデザイン,シミュレーション,そして製造のスピードを上げるマイクロ流体工学的ツールボックスの開発に励んでいます。最終目標は,医療の個別化を可能にする基盤を開発することにより,一人一人の患者の必要に合わせた治療を可能にすることです。また,その他の専門分野にはタンパク質やセンサーをナノスケールのパターン形成,ナノ粒子の特性化,およびナノファブリケーション技術も含まれます。
2011年10月掲示